「保育とは無関係の大学を卒業したし…」「もう社会人になったらから…」「もう自分は年齢も年齢だし…」と、保育士になる夢を諦めかけている人はいませんか?実は、保育士試験を受けるのに年齢制限は一切なく、受験基準さえ満たしていれさえすれば誰でも受けることができるのです。
このページでは、働きながら保育士になるための方法、資格取得までの方法を調査してまとめてみました。
保育士の資格を取得するには2つの方法があります。
1つ目は厚生労働省が指定したカリキュラムが用意されている大学や短大、専門学校を卒業する方法。
2つ目は年に2回行われる国家試験に合格する方法です。
働きながら保育士資格取得を目指す場合、自然と勉強方法は「独学」「通信講座」「夜間学校」などに絞られます。これらの方法のなかでも、特に多くの人が独学を選んでしまいがちです。しかし間違った情報を正してくれる人や、質問できる人がいないため、誤った解釈で勉強し続けてしまう可能性もあるようです。
試験は年齢制限・回数制限などは一切ないため、何回でもチャレンジすることができます。1度合格した科目は3年間有効なので、長期的なスパンを想定したうえで勉強する人が主流となっているようです。
働きながら保育士資格を取得しようとしたときに、一番ネックになるのが「モチベーション」です。特に独学だと自分のペースで勉強はできますが、「仕事が忙しいから」「疲れているから」と後回しにしてしまいがち。そうなると資格取得がどんどん遠のいてしまい、結局「自分には無理なのかも…」と諦めてしまう人も多くいるようです。
そこで保育士資格を確実に取得したいと思っている希望者は、働きながらでも勉強できる夜間学校や通信講座で学ぶのが一般的になっています。夜間学校や通信講座のなかには忙しく働く社会人のために、授業時間や授業回数を調整してくれるところが多く、週に1~2回の通学で単位が可能なスクールもあります。
自分の生活スタイルに合う勉強法を見つけて、最速での資格取得を目指しましょう。
資格を取得しようとした場合、どんな方法でも勉強する費用はかかってしまいます。とはいえ、せっかくお金を出すのなら、正しい知識が身に付けられたり、サポート体制が整っていたりと安心して通えるところがいいはず。
保育現場の最新情報を取り入れながら勉強できるのは、学校や通信講座です。この2つの方法を比較すると、取得するまでにかかる費用に大きな差があることがわかります。
学習法 | 費用 | 学習期間 |
---|---|---|
4年制大学 | 300万~ | 4年 |
短期大学 | 200万~ | 2年 |
専門学校 | 200万~ | 2~3年 |
大学の通信課程 | 50万~ | 2年~ |
通学講座 | 20~50万 | 半年~2年 |
通信講座 | 4~8万 | 半年~2年 |
独学 | テキスト代のみ | 人それぞれ |
厚生労働大臣が指定した養成施設(大学や短大)は高額な費用がかかりますが、卒業と同時に資格を取得することができます。実習で現役の保育士から指導を受けたり子どもたちと直に触れ合えたりするのもメリットです。
通信講座は、講座を修了したあとに保育士試験に合格しなければ資格取得とはなりません。ですが、仕事の合間や出勤の移動時間を使って自分のペースで自分に合った学習が可能となります。人によってはわずか半年で資格を取得することもあります。費用が学校にくらべて格段に安いのも嬉しいポイントですね。
こちらでは、保育士試験の代表的な勉強方法である
それぞれのメリット・デメリットについて解説いたします。
独学に比べると数万円と費用がある程度かかるものの、通信講座は一番おすすめしたい勉強方法といえます。具体的なメリットとしては以下の点が挙げられます。
独学と違って、間違って覚えたことを正してくれたり、アドバイスをもらえたりと寄り添って対応してもらえるところが魅力です。
そして、実技試験に関してもしっかりサポートしてもらえます。市販のテキストには実技試験のことがあまり書かれていないのですが、通信講座では、音楽表現の楽譜や模範演奏のCD、造形表現の実例、言語表現で使えるお話の本と模範講演のCDなど、実践で役立ちそうな教材が付いてくるので安心です(通信講座により内容は異なります)。
デメリットは、独学と同様、一人でモチベーションを下げずに勉強を続けることが簡単ではない、ということです。学びたいという気持ちがあっても、仕事で疲れたからと休んでばかりいたり、ついテレビを見てしまったりと、家庭で学習するにはさまざまな誘惑に打ち勝たなくてはいけません。
学校に通って直接先生に質問するのとは違い、通信講座ではメールなどで質問するので、回答に時間がかかってしまうというデメリットもあります。また言葉で会話するのではなく、文章にして質問し、文章で回答が返ってくるので、書くのも読むのも苦手という人には向いていないかもしれません。
書店で本を手に取るのとは違い、送られてくるテキストの内容を事前に読むことができないので、無料サンプルを取り寄せるなど、どの通信講座が自分に合っていそうか、チェックすることも大切です。
最大のメリットは、何といっても費用が安くすむこと。テキストを購入するだけなので、高額な授業料を払う必要がありません。
自分に合った分かりやすいテキストにめぐり合えれば、数千円で足りるでしょう。保育士の試験には筆記試験と実技試験があるのですが、筆記試験のほうは独学でテキストの内容をしっかり覚えれば、合格点を取ることも難しくありません。
デメリットは、先生がいないので、分からないことがあっても質問できず、間違って覚えていても正してもらえない、という点です。また、一緒に学ぶ仲間もおらず、いつまでに何ページを勉強するなどの期限もないため、勉強がおろそかになりがちです。
独学するなら、毎日夜9時から1時間勉強するなど、自分で勉強をする日時を設定し、再来年までには必ず合格する、など目標を決めましょう。家族や友人にその目標を話しておくのも、適度なプレッシャーになってよいかもしれません。絶対に保育士になる!という強い意志が成功のカギと言えるでしょう。
そして、独学だと実技演習をする機会がないのも難点です。実技試験は「①音楽表現に関する技術」「②造形表現に関する技術」「③言語表現に関する技術」の3分野から2分野を選んで受けることになります。①は課題曲の弾き語り、②は保育の一場面を絵で表す、③は3歳児向けのお話を自分で考えて話す、という内容です。この実技試験対策のテキストはほとんど市販されていないので、自分の経験や能力を生かすしかありません。
保育士を目指すからには、演奏しながら歌ったり、絵を描いたり、お話をしてあげたり、子どもと一緒に何かをして遊ぶことが好きなはずです。自分の得意な2分野を選択して、練習するようにしましょう。下記に紹介している、無資格でも働ける保育現場で働いて、保育士の実技を生で見せてもらうことも勉強になるでしょう。
筆記試験対策のテキストのなかには、実技試験を受ける際のコツが書かれているものもあるので、参考にして下さい。
先生の生の声を聞きながら実践的な知識を学びたい、現場でしっかり実習をしたい、自宅で自主的に勉強する自信がない、という人は夜間学校がおすすめです。時間割を見てみると、平日は夜18時ごろから2コマ程度、座学の授業があり、土曜日に実技の演習や実習を行うという学校が一般的です。
メリットとしては、教壇に立つ先生と対面して授業を受けることができるので、モチベーションの維持がしやすいことがあげられます。分からないことがあればその場で質問し、すぐに回答が得られます。周囲には同じ志を持って学ぶ仲間が大勢いるので、サボりたいという気持ちも薄まるでしょう。
そして音楽や美術、言語表現などの実技を、経験豊富な先生に目の前で指導してもらえるのも魅力です。楽器が弾けない、絵を描くのが苦手、上手なお話の仕方が分からないという人は、こういった演習が重要になってきます。1年次の終わり頃や2年次には、実際に保育園に行き、子どもたちに囲まれながら実習を行えます。
実習を通して、自信をつけたり、自分に足りない点を見つけたり、実践で役立つ発見があるかもしれません。大学や専門学校の夜間コースでは、無事に卒業できれば、そのまま保育士の資格を取得できる、という点も大きなメリットです。
デメリットは、独学や通信講座に比べて費用がかかってしまうこと。日中、働きながら費用を工面する、または貯金をしておく必要が出てきます。さらに、ほぼ毎日決められた時間に授業が組んであるので、残業がある、あるいは用事があって出かけたいときに融通が利きません。
社会人と学生の両立をするわけですから、仕事で疲れていて、授業中に居眠りをしてしまう、ということもあるかもしれません。ハードな仕事をしている人は、無理のない選択をしましょう。
働きながら保育士の資格を取得するといっても、やはり保育系以外の仕事をしながら勉強するのは、理解しづらいこともあって難しいと感じる人もいるはず。
でも実は、保育系の資格を所持してなくても保育に関わる仕事をする方法があるんです。ここでは、資格がなくても保育に関われる3つの働き方を紹介。これから保育士の資格を取得しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
保育には国が料金形態や入園手続きを定めた「認可保育園」と独自の料金形態や入園手続きを設けている「認可外保育園」の2つがあります。
認可外保育園は国からの定めがない分、ある程度の規定が緩くなっているのが特徴。ですが、法律で受け入れた園児に対しての保育士の配置人数が規定されているのは認可保育園と同じで、保育士が必要となります。
保育士不足の解消のため、資格を持っていない人でもパートとして働けるようになったのです。保育園で実際に働くことで勉強した知識を活かせますし、短時間勤務のパートのため資格取得の勉強時間も確保できます。
ですが1つ抑えておきたいポイントとして、保育現場で働いていたからと試験が免除されることはないので注意しておきましょう。
時間外保育士とは、早朝保育や延長保育の時間外保育で働くパートの保育士を指します。
最近は共働きをしている保護者が増加傾向にあり、保護者の出社や退社の時間に合わせて対応してくれる保育園の需要が高まっています。保育士が不足している中で、資格所持者で回すのは難しいのが保育士業界の現状です。それでもニーズには応えたいという気持ちから、保育士の資格を持っていない人でも働ける時間外保育士ができました。
勤務時間の短いパートでの契約なため勉強時間はもちろん、プライベートの時間も作れます。さらに、実際に保育士資格を所持している保育士とも一緒に働けるため、近くで実技を見れるのも嬉しいポイント。
時間外保育士も認可外保育園と一緒で保育現場で働き経験を積んでいたとしても、試験が免除されるわけではないので注意しておきましょう。
児童福祉施設とは、保育所に加えて助産施設や母子生活支援施設、乳児園といった国または都道府県が設置している児童福祉に関する事業を行う施設をいいます。
そんな児童福祉施設で働くために必要な資格はありません。誰でも働くことが可能です。
さらに、試験の受験には高校卒業が要件となっていますが、児童福祉施設で5年以上7,200時間以上の実務経験を積むと、保育資格の受験資格を獲得できるのも特徴の1つ。
試験が免除されるわけではないのですが、実際の現場に携わりながら受験資格がもらえるため、本気で保育士を目指す人には特におすすめの働き口です。
社会人が働きながら資格試験の勉強を進める場合、朝から夜まで一日のどこかで勉強時間を取り、予習だけでなく復習にも十分な時間を確保しておかなければなりません。
仕事だけでなくご家庭をお持ちの方は、家事や育児などの合間に勉強をすることになりますので、変則的な時間の使い方にも慣れていく必要があります。
パート勤務などで比較的時間に余裕がある場合には、自宅で学ぶ通信講座よりもスクールに通った方が実技の面で有利に働きます。さらに専門的な学識を深めるならば大学の講座もおすすめです。
いずれにしても、仕事や家庭との両立が課題となりますので、スケジューリングに関しては手を抜かずに、余裕をもって学べるよう時間調整を行うようにしましょう。
このようにして勉強をしながら、各都道府県が主催する「保育士国家試験」に臨みます。合格すれば保育士の資格が取得でき、晴れて保育士としてデビューすることができます。
試験は年に1回の開催となっており、春に受験申請をしてから夏に筆記試験、さらに秋ごろに実技試験が待っていますので、段階的に受験を進めていくことになります。
合格してからは保育士として本格的な仕事に入ることになります。試験に合格するための勉強はもちろんですが、試験勉強の際にはただ暗記するだけではなく、保育士になってからも使えるノウハウをしっかりと習得しておきたいところです。
保育士に憧れを持ち、働きながら保育士試験の勉強に臨んでいる社会人は少なくありません。スクール選びからスケジューリング、実際の勉強に至るまで、自分に合った学び方を求めてみてはいかがでしょうか。